佐川印刷(京都府向日市)の経理担当だった元役員の男性が子会社の資金を不正流用した疑いがあるとして、京都地検が電子計算機使用詐欺の疑いで、近く強制捜査に乗り出す方針を固めたことが24日、関係者への取材で分かった。
同社によると、元役員は2009~14年、複数の知人男性を通じてシンガポールのサーキット事業を運営する団体に約54億円を投資するなど、計80億~90億円を不正流用したとみられるという。同社が地検に告訴していた。
元役員は09年から財務管理の責任者で、子会社の資金も扱える立場だった。インターネットバンキングや銀行印も使え、資金のほとんどは同社の子会社、エスピータック(京都府亀岡市)の口座から引き出されていたとみられる。
佐川印刷の調査に対して不正流用を認め、1月に会社を退職していた。〔共同〕