家宅捜索を終えて成田国際空港会社を出る警視庁の捜査員=5日午後3時24分、成田空港
成田空港関連の物品の随意契約にからみ現金の授受があったとして、警視庁は5日、成田国際空港会社(NAA)元上席執行役員の栗田好幸容疑者(64)を成田国際空港株式会社法の収賄容疑で逮捕した。
成田空港の元役員、収賄容疑で逮捕 取引先から60万円
栗田容疑者は管理職として長年、同社が発注する少額の随意契約で受注業者を決める権限を持っていた。同庁は、栗田容疑者がこうした立場を悪用したとみている。
捜査2課によると、栗田容疑者は今年1月下旬、NAA発注の事務用品などの随意契約に関し、千葉県の建築会社社長、越川勝典容疑者(47)と同社の経理担当で妻の美奈子容疑者(46)から、2人が経営に携わる会社への便宜を図った見返りに、現金60万円を受け取った疑いがある。同課はこの2人についても同法の贈賄容疑で逮捕した。
同課は認否を明らかにしていないが、捜査関係者によると、栗田容疑者は任意の事情聴取に対し、現金の受け取りを認め、飲食などの接待を複数回受けたと説明したという。
NAAによると、栗田容疑者は2005年6月以降、同社のCS推進室長や保安警備部長として、所属する部署が発注する200万円未満の物品やサービス提供に関する随意契約で業者を選定する権限を持っていた。先月13日に「取引先との不適切な行為」を理由に退職。退職金は支払われていない。
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