【ブリュッセル=森本学】ギリシャ政府は27日のユーロ圏の財務相会合で、欧州連合(EU)側に対し、6月末に迫る金融支援の期限延期や返済の猶予などを求めた。だが、同国のチプラス首相が唐突にEU側の財政改革案を巡る国民投票の計画を発表したことにドイツなどは強く反発。仮にユーロ圏財務相が支援延長を認めなかったり、国民投票でEU側の提案受け入れが拒まれたりすればギリシャが債務不履行(デフォルト)に陥る可能性が一段と高まる。
国民投票を実施するには27日のギリシャ国会で承認を得る必要がある。
EUは27日午後(日本時間同日夜)からブリュッセルでユーロ圏19カ国の財務相会合を開き、ギリシャ問題への対応を協議した。直前にデイセルブルム議長(オランダ財務相)はギリシャの国民投票表明を「交渉のドアを閉じた」と批判した。
ギリシャのバルファキス財務相は会合で、国民投票まで金融支援の期限先送りを求めた。期間は数週間とみられる。30日の国際通貨基金(IMF)への約15億ユーロの返済の猶予なども求めた。
バルファキス氏は、このIMFの支払いにあてるため、欧州中央銀行(ECB)が保有するギリシャ国債から生じた利益(約19億ユーロ)の活用などを求めている。
一方、ユーロ圏財務相らはギリシャが財政改革案を受諾すれば11月までの支援延長や資金繰り支援などに応じる構えだ。
チプラス政権に対しユーロ圏内では批判が強まっている。オーストリアのシェリング財務相は会合前、記者団に「支援延長はありえない」と強調。ドイツのショイブレ財務相も「さらなる交渉の土台はない」と述べた。
支援交渉が不発のまま30日の金融支援の期限を迎えれば、ギリシャのデフォルトの懸念が急速に高まる。週明けにも銀行預金の流出が加速し、銀行不安が再燃するリスクもある。ギリシャ金融当局が混乱を避けるため銀行の休業を決めたり、現金引き出し制限など「資本規制」の導入を迫られたりする可能性が高い。
仮に債権団の協力で6月末のIMFへの支払いを乗り切っても、国民投票の行方は不透明だ。
ギリシャ側は投票で国民に問う内容を、27日のユーロ圏財務相会合の内容をみて決める方針と考えられる。だが、EU側の提案が拒まれれば、支援に依存する同国財政の破綻は避けられない。ギリシャが支払う義務がある金額は8月末までに100億ユーロ前後に達する。
ギリシャのデフォルトが視野に入れば、ECBもギリシャの銀行への資金繰り支援を打ち切らざるを得ないとみられる。