経済産業省が29日発表した5月の鉱工業生産指数(2010年=100、季節調整済み)速報値は前月比2.2%低下の97.1だった。低下は2カ月ぶり。QUICKがまとめた民間予測の中央値は0.7%低下で、市場予想を下回った。生産の基調判断は「緩やかな持ち直しの動きがみられる」から「一進一退で推移している」に下方修正した。基調判断の引き下げは昨年6月以来、1年ぶり。
生産指数は15業種のうち12業種が前月比で低下し、上昇は3業種だった。自動車の国内販売や輸出が低調で、輸送機械工業が前月比5.4%減と落ち込んだことが響いた。アジアでスマートフォンの生産が一服していることを受け、電子部品・デバイス工業も4.3%減だった。
出荷指数は前月比1.9%低下の96.0と、2カ月ぶりに低下した。在庫指数は0.8%低下の112.9だった。低下は4カ月ぶり。在庫率指数は1.9%上昇の115.3だった。
同時に発表した製造工業生産予測調査によると、6月は前月比1.5%上昇、7月は0.6%の上昇を見込む。もっとも予測調査は実績よりも上ぶれる傾向にある。経産省では依然として在庫積み上がり局面が続いているとみており、「生産が6~7月に2カ月連続で上昇するのはなかなか難しい」としている。〔日経QUICKニュース(NQN)〕