【NQNニューヨーク=大石祥代】29日のニューヨーク外国為替市場で円相場は反発し、前週末比1円35銭円高・ドル安の1ドル=122円45~55銭で取引を終えた。ギリシャの金融支援を巡る協議が決裂し、ギリシャが債務不履行に陥る懸念が一段と増したとして、投資家のリスク回避姿勢が強まった。低金利通貨の円を買ってドルを売る動きが優勢になった。
ギリシャ政府が6月30日期限の国際通貨基金(IMF)による融資の返済を見送る公算が大きくなった。7月5日には、欧州連合(EU)などが求める財政改革案の是非を問う国民投票を実施する運びとなり、同問題を巡る不透明感が増したとの見方がさらに増えた。米株式相場の大幅下落も意識され、リスク回避の円買いが優勢になった。
米長期金利が低下し、日米金利差の縮小を見込んだ円買い・ドル売りが優勢になった。
円の高値は1ドル=122円40銭、安値は122円96銭だった。
円は対ユーロで3日続伸し、前週末比55銭円高・ユーロ安の1ユーロ=137円75~85銭で終えた。円が対ドルで上昇し、円の対ユーロ相場には円買い・ユーロ売りが優勢になった。
ユーロは対ドルで反発した。前週末比0.0075ドル高い1ユーロ=1.1235~45ドルで終えた。ギリシャ債務問題を巡る不透明感が増した。ユーロの先安観は根強いものの、目先の売り持ち高を減らす目的のユーロ買いが優勢になったという。
ユーロの高値は1.1279ドル、安値は1.1103ドルだった。