埼玉県警機動隊のプール(同県朝霞市)で2012年、男性巡査(当時26)が訓練中に水死したのは暴行を受けたためだとして、遺族が30日までに、当時の上司4人と県に、計約1億9千万円の損害賠償を求める訴訟をさいたま地裁に起こした。提訴は28日付。
訴状などによると、死亡した佐々木俊一さんは12年6月、酸素ボンベなど計約38キロの装備を着けて泳ぐ訓練に参加。足をけがしていたため中断を申し出たが認められず、制裁として水深約3メートルのプール中央に息継ぎをしないまま繰り返し沈められた結果、死亡したとしている。
被告4人のうち、訓練の指導員だった1人は、さいたま地検が昨年9月、事故を防ぐ注意義務を怠ったとして業務上過失致死罪で在宅起訴した。
原告で佐々木さんの母、千春さん(58)は「息子は集団による暴行で殺されたと思っています。絶対に許すことはできません」と話している。
県警監察官室は「訴状を見ていないので、コメントを差し控える」としている。〔共同〕