鳥取県米子市で2009年にホテル支配人の男性を殺害したとして、強盗殺人罪などに問われた石田美実(よしみ)被告(60)の上告審で、最高裁第二小法廷(鬼丸かおる裁判長)は弁論を6月22日に開くことを決め、関係者に通知した。二審の結論を変える際は弁論を開く必要があるため、一審の有罪判決を破棄し、無罪とした広島高裁松江支部判決が見直される可能性がある。
ホテル強盗殺人事件、被告に無罪判決 広島高裁松江支部
石田被告は09年9月、米子市のホテル事務所で支配人(当時54)の頭を壁にぶつけ、首を絞めた後、現金約43万円を奪ったとして起訴された。支配人は6年後に多臓器不全で死亡した。
裁判員裁判だった16年7月の一審・鳥取地裁判決は、事務所に釣り銭用の千円札が二百数十枚あり、被告が事件後、千円札230枚を自身の預金口座に入金していたことや、ホテルが元勤務先で内部に詳しいことなどを踏まえ、殺人と窃盗の罪の成立を認定。懲役18年を言い渡した。
一方、17年3月の二審判決は「被告が持っていた千円札230枚が被害金だと裏付ける直接証拠がない」と判断。ほかのホテル従業員も犯行が可能だとし、無罪を宣告した。(岡本玄)