成年後見人として管理していた認知症の女性(96)の銀行口座から約4200万円を着服したとして、警視庁捜査2課は2日、元弁護士、渡部直樹容疑者(48)=東京都千代田区三番町=を業務上横領容疑で逮捕した。同課によると、都内に住む別の認知症の女性(83)の財産も着服した疑いがあり、横領総額は計9000万円に上るという。
逮捕容疑は2011年10月~昨年9月、成年後見人として管理していた東京都北区に住む女性(96)の口座などから30回にわたり計約4200万円を引き出した疑い。
同課によると渡部容疑者は「間違いない」と容疑を認めている。事務所経費やキャバクラなどの遊興費に使ったという。
同課によると、渡部容疑者は11年6月に女性の成年後見人に選任されたが、女性が入所していた介護施設への支払いが滞ったことなどから、家庭裁判所が昨年9月に別の弁護士を追加選任した。渡部容疑者は「新たに加わった弁護士によって横領が発覚すると思った」として、同年10月に警視庁神田署に自首した。
同課などによると、渡部容疑者は1998年に第一東京弁護士会に弁護士登録。昨年3月に福島県弁護士会に移ったが、同年10月に同会を退会したという。