【アテネ=白石透冴】欧州連合(EU)側が求める財政緊縮策の受け入れについて賛否を問うギリシャの国民投票が5日午前7時(日本時間午後1時)に始まった。投票は午後7時(同6日午前1時)までで、大勢は5日深夜(同6日朝)にも判明する見通しだ。直前の世論調査では、賛否はどちらも約4割で拮抗している。
国民投票が始まり、小学校の投票所で一票を投じる有権者(5日午前、アテネ市内)=写真 浅原敬一郎
首都アテネ市内の投票所の1つ、第7アテネ小学校では開票時間前から有権者が集まり始めた。小学校教師の男性、タソスさん(55)は「EU案受け入れに賛成だ。私の給与はここ数年で3割下がるなど生活は苦しいが、ギリシャはヨーロッパの一員だ」と話した。
賛成多数の場合、チプラス首相は辞任する意思を示唆している。政治空白は避けられず、新内閣誕生までに経済が停滞する恐れもある。
反対多数の場合、チプラス氏はEU側と再交渉を始める。ただEUのユンケル欧州委員長は、反対多数ならば「ギリシャの立場は著しく悪くなる」と述べており、交渉は難航しそうだ。