【アテネ=白石透冴】欧州連合(EU)側が求める財政緊縮策の受け入れについて賛否を問うギリシャの国民投票で5日午前10時半(日本時間午後4時半)ごろ、チプラス首相が投票した。投票所に集まった記者団に「今日は恐怖に打ち勝つ日だ。誇りと決断のメッセージを(EUに)伝える」と語り、EU案に反対する姿勢を改めて示した。
財政緊縮策の賛否を問う国民投票で、投票所を訪れたギリシャのチプラス首相(5日午前、アテネ市内)=写真 浅原敬一郎
チプラス氏は首都アテネ市中心部の第27アテネ小学校の投票所で票を投じた。最大野党新民主主義党サマラス党首も別の投票所で、「ギリシャ、ヨーロッパのために賛成票を投じる」と語った。
EU案反対の立場を取るチプラス氏だが6月30日には、条件付きで提案を飲むとEU側に突如伝えている。ただその後は元通り反対の立場を強調している。矛盾とも受け止められる言動に対し、EU側は不信感を募らせている。