【シドニー=高橋香織】オーストラリア準備銀行(中央銀行)は7日の理事会で、政策金利を年2%に据え置くことを決めた。据え置きは2カ月連続。スティーブンス総裁は声明で「中国とギリシャの情勢不安にもかかわらず、主要国の長期金利は引き続き低い」と指摘し、金融緩和姿勢を維持した。豪中銀は今年に入り2月と5月に政策金利をそれぞれ0.25%引き下げている。
スティーブンス氏は豪ドル相場について「資源価格の大幅な下落を踏まえれば、一層の下落が起こりうるし、必要でもある」との従来の立場を繰り返した。
国内経済に関しては「成長率が過去の長期平均を下回って推移している」と述べ、史上最低の金利水準を維持して景気を底支えする考えを示した。失業率は6%台で高止まりし、賃金上昇ペースも非常に緩やかだ。物価上昇率は豪中銀の目標値(2~3%)内に収まっている。
一方、低金利を背景に一部の都市で住宅ブームが起きていることに絡み、最大都市シドニーの住宅価格が「力強く上昇を続けている」と指摘した。豪中銀は住宅バブル懸念の払拭に向けて「規制当局と協力し、住宅市場のリスクを抑制している」とした。