名古屋地検特捜部は18日、投資家から集めた資金を私的に流用して約2億円の所得を隠し、所得税約7千万円を脱税したとして、住所不定の無職、伊藤正明容疑者(47)ら2人を所得税法違反(脱税)の罪で起訴した。
特捜部によると、伊藤被告らは「シンフォニー」などの名称で外国為替証拠金(FX)取引についての投資セミナーを開催。会員となった投資家に運用先を紹介し、資金を振り込ませていた。
2010年ごろから、全国の3千人以上の投資家から110億円以上を集めたとみられるが、特捜部が確認した現預金は10億円に満たないという。特捜部は、出資金が運用されていなかった可能性もあるとみて、詐欺容疑も視野に慎重に捜査を進める方針。