【ニューヨーク=杉本貴司】独フォルクスワーゲン(VW)による不正の発覚は米国でも波紋を広げている。米下院エネルギー・商業委員会はこの問題に関して、数週間以内に公聴会を開くと表明した。VWの刑事責任を巡り、司法当局が調査に乗り出した。米国では大気浄化法違反への反発は強く、不正問題への追及は長期化しそうだ。
同委員会のフレッド・アップトン委員長らは「多くの米消費者が欺かれていたのではないかと懸念している」との声明を出し、VWの不正を公聴会で徹底追及する考えを示した。米上院の議員もすでに米当局に調査を呼びかけており同様の公聴会を開くとみられる。
ニューヨーク州のエリック・シュナイダーマン司法長官は22日、「いかなる企業も環境法を逃れることはできない」として調査を始めたことを表明し、全米の司法当局に連携を呼びかけた。仮に和解しても巨額の制裁金が発生する可能性が高い。米メディアによると米国内では、問題となった車の所有者らが集団訴訟を起こす動きもある。投資家による訴訟も起きる可能性がある。