【シリコンバレー=小川義也】米グーグルは29日、画面サイズや価格帯の異なる2つの新型スマートフォン(スマホ)「ネクサス6P」と「ネクサス5X」を発表した。基本ソフト(OS)に最新の「アンドロイド6.0(マシュマロ)」を搭載。指紋認証を導入して安全性を高めたほか、人工知能による検索機能などを強化した。
グーグルが「ネクサス」ブランドのスマホを1度に2機種投入するのは初めて。ネクサス6Pは2014年に発売したネクサス6の後継機種にあたる。ネクサス6は米モトローラ・モビリティー製だが、6Pは中国の華為技術(ファーウェイ)と共同開発した。
画面サイズは5.7型で、6型のネクサス6より一回り小さく、米アップルの「iPhone6sプラス」(5.5型)よりわずかに大きい。内蔵カメラは背面が1230万画素、前面が800万画素。MPU(超小型演算処理装置)には米クアルコムの上位製品「スナップドラゴン810」を搭載し、処理能力を高めた。
価格は内蔵メモリーが16ギガ(ギガは10億)バイトのモデルが499ドル(約6万円)、32ギガバイトのモデルが549ドル、128ギガバイトのモデルが649ドル。
ネクサス5Xは13年に発売したネクサス5の後継機種にあたり、前回同様、韓国LG電子と共同開発した。画面サイズは5.2型で、内蔵カメラは背面が1230万画素、前面が500万画素。MPUにはスナップドラゴン808を搭載した。価格は内蔵メモリーが16ギガバイトのモデルが379ドル、32ギガバイトのモデルが429ドル。
どちらの端末も「ネクサス・インプリント」と呼ぶ最新の指紋認証装置を搭載し、安全性を高めた。充電用の電源アダプターなどを接続するインターフェースには、次世代のUSBコネクター「タイプC」を採用した。
29日にサンフランシスコで開いた発表会で、スンダル・ピチャイ上級副社長はアンドロイドOSを搭載した端末の稼働数が世界で14億台を突破したことを明らかにした。グーグルはアンドロイドを韓国サムスン電子など端末メーカーに無償提供しており、各社のスマホも順次、新OSに切り替わる。