8月に国際宇宙ステーション(ISS)に物資を運んだ宇宙航空研究開発機構(JAXA)の無人補給機「こうのとり」5号機が30日午前5時33分ごろ、南太平洋の上空で大気圏に突入して任務を終えた。運用責任者を務めたJAXAの松浦真弓フライトディレクターは記者会見で「物資の輸送という使命を果たせてよかった」と話した。
5号機は29日未明、宇宙飛行士の油井亀美也さん(45)の操作でISSから切り離された。ISSで出たごみや不要になった実験装置など約4.6トンを積んでいた。高度約120キロメートルで大気圏に突入し、一部を残して燃え尽きたとみられる。
5号機を切り離す際にロボットアームにトラブルが発生して停止し、分離は予定より1時間半ほど遅れた。松浦ディレクターは「分離できないときの準備はできていたので、淡々と復旧作業に当たれた」と振り返った。
2016年以降に予定されている6~9号機では、ISSの機器を動かすのに欠かせないバッテリーを初めて運ぶ計画。成田兼章HTV技術センター長は「6号機以降もISS運用の根幹を支えていきたい」と意気込んだ。