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児童虐待最多の8.8万件 14年度20%増、親権停止17件

全国の児童相談所(児相)が2014年度に対応した児童虐待の件数は前年度比20.5%増の8万8931件(速報値)に上り、過去最多を更新したことが8日、厚生労働省の集計で分かった。1990年度の集計開始以来24年連続の増加で、8万件を初めて突破した。


厚労省は件数増加の要因として▽13年に被害児童のきょうだいについても虐待の対応をするよう各自治体に通知した▽子供の前で配偶者に暴力を加えたり大声で怒鳴ったりする「面前DV(ドメスティックバイオレンス)」による心理的虐待の通告が警察から増えた――を挙げている。


全国207の児相が通報や相談を受けて対応した件数をまとめた。都道府県別では、大阪が1万3738件で最多。神奈川、東京、埼玉、千葉と続き、上位5都府県で全体の半数超を占めた。


虐待から子供を守るために親権を最長2年停止できる親権停止制度に基づき、児相所長が家庭裁判所に親権停止を申し立てた事案は15自治体で23件あった。うち17件で親権停止が認められた。


親権停止となった具体的な事例では▽先天性の障害がある子供の養育を両親が放棄した▽子供の治療のための輸血を両親が信仰上の理由から拒んだ――などがあった。


また、厚労省は同日、13年度の児童虐待事例の検証結果も公表した。虐待を受けて死亡したのは36人で前年度から15人減った。亡くなった子供の年齢は3歳未満が24人(66.7%)を占め、0歳児が最多の16人(44.4%)だった。


死亡した36人のうち、実母が加害者だったのは16人、実父が8人、実母と実父両方だったのが5人。虐待種別でみると「身体的虐待」が21人、「ネグレクト(育児放棄)」が9人で、残り6人は不明だった。動機としては「泣きやまないことにいらだった」「しつけのつもり」などが確認された。


死亡には至らなかった重症事例も18人おり、子供の年齢は死亡事例と同様に0歳児が最多の61.1%を占めた。


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