火山噴火予知連絡会は21日、5月に噴火した口永良部島(鹿児島県)について「同程度の噴火が発生する可能性は低くなっている」との見解をまとめた。気象庁は同日、噴石や火砕流に対する警戒が必要な範囲を火口から約2~2.5キロに縮小した。住民は年内にも帰島できる見通し。
山体が膨張したまま停止しているため、噴火警戒レベルは5(避難)を維持する。気象庁は「マグマがたまった状態が続いている」として、警戒範囲内では引き続き噴石や火砕流に注意をするよう呼び掛けている。
口永良部島・新岳では今年5月29日、爆発的な噴火が発生。気象庁は噴火警戒レベルを3(入山規制)から5に引き上げ、住民ら約140人が全島避難した。6月には再噴火が観測されたが、その後は火山性微動は観測されず、火山性地震も減少していた。
地元の屋久島町は今後、ライフライン復旧などを進め、生活基盤が整った段階で、島全域に出している避難指示の範囲を縮小する方針。
一方、予知連は、神奈川県の箱根山・大涌谷について「活動は低下傾向」との見解をまとめた。現在、噴火警戒レベルは2(火口周辺規制)。気象庁は「もう少し様子を見て(活発化した)4月以前の状態に戻ったと判断すれば、噴火警戒レベルの引き下げも検討する」としている。