防衛省沖縄防衛局は29日にも米軍普天間基地(沖縄県宜野湾市)移設先の名護市辺野古で移設作業を再開し、本体工事に着手する。埋め立て予定地に隣接する米軍キャンプ・シュワブ内で埋め立て作業に必要な資材の搬入や仮設道路の設置などを始める見通しだ。沖縄県は工事再開に反発しており、阻止するための対抗策を近く打ち出す。
沖縄防衛局は28日、埋め立て工事に必要な届け出文書を県に提出した。翁長雄志知事は談話を発表し「甚だ遺憾だ。断じて容認できない」と批判。埋め立て承認を取り消す知事決定の効力を、石井啓一国土交通相が一時停止したことを不服として「国地方係争処理委員会への審査の申し出を予定している」と表明した。
県は仲井真弘多前知事が埋め立て申請を承認した際に求めた事前協議を再開するよう求めているが、防衛局は28日「協議は終了したので護岸を着工する」と県に通知した。