神戸製鋼所(5406)は30日、2016年3月期の連結純利益が前期比77%減の200億円にとどまる見通しだと発表した。9月28日時点の予想は71%減の250億円で、減益幅が大きく拡大する。中国など新興国経済の減速による需要減が今後も続くと見込まれるため。純利益の予想は2度目の下方修正。アナリスト予想の平均であるQUICKコンセンサス(28日時点、7社)の274億円を下回る。
同日、記者会見した梅原尚人副社長は、鋼材価格について「ここで下げ止まってこれ以上下がらない、とは言えない」と依然として先行きが不透明だと見方を示した。鋼材と並んで落ち込みが大きい建設機械を巡っては、中国の現地工場について「稼働率は相当に低い。基本的には在庫を売っていく状況だ」と話した。
今期の売上高の予想は1%減の1兆8700億円(従来予想は1%増の1兆9000億円)、営業利益は25%減の900億円(同20%減の950億円)にそれぞれ下方修正した。鋼材は国内で自動車向け需要の回復が遅れていることに加え、海外でも特にアジア地域で市況が厳しさを増している。油圧ショベルは国内で更新需要が一巡。中国や東南アジアの需要も大きく減少している。期末配当は引き続き未定とした。
併せて発表した15年4~9月期の連結決算は、売上高が前年同期比1%増の9286億円、営業利益が18%減の470億円、純利益が68%減の134億円だった。純利益の通期予想に対する進捗率は67%。中間配当は前年同期比横ばいの2円。〔日経QUICKニュース(NQN)〕