【フランクフルト=加藤貴行】英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルは3日、天然ガス関連事業を統合し、来年1月から独立した部門にすると発表した。シェルは来年に英BGグループの買収を終える予定で、ガスを中核に据えており液化天然ガス(LNG)の生産・取引の世界シェアは2割弱に達する見込み。既存の上流や取引事業から分離し経営判断をしやすくし、原油安の逆風下で収益確保を狙う。
あわせて原油安が長引くなか、2015年の投資計画を前年から2割、操業コストを1割削減し、総額110億ドル(約1兆3300億円)の効果を引き出すことを明らかにした。
また今年4月に買収合意したBGに関しては、18年時点の税引き前の相乗効果を35億ドル(約4230億円)と合意時点から4割積み増した。重複部門の合理化などを徹底し、原油価格が1バレル60ドル台半ばでも競争力を保てる水準にする。