日銀の黒田東彦総裁は6日午後、都内で開かれた内外情勢調査会で講演し、「量的・質的金融緩和は所期の効果を発揮している」と述べた。エネルギー価格の影響を除いた物価の基調が改善していると指摘し、過去最高の企業収益を背景に賃金の上昇を伴い「物価上昇率が緩やかに高まるメカニズムが作用している」との見方を示した。物価上昇率が2%程度に達する時期については、原油価格の動向によるが「2016年度後半になる」との予想を述べた。
現行の政策継続で2%を達成できるとした一方、新興国経済の減速の影響など経済・物価の下振れ要因の点検を続け、金融市場の動向などを吟味して政策判断を下す意向を示した。2%の早期実現のために必要と判断すれば、「ちゅうちょなく対応する」と述べた。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕