【ジュネーブ=共同】若手音楽家の登竜門として知られるジュネーブ国際音楽コンクールの作曲部門の決勝が8日、ジュネーブのコンサートホールで行われ、兵庫県たつの市出身の薮田翔一さん(32)が優勝した。薮田さんは「自信がなかったので驚いた。今はとにかくほっとしている」と喜びを語った。
最終選考には薮田さんを含む4人の若手作曲家が残り、課題は弦楽四重奏曲。薮田さんは英語で「大きな波」を意味する「Billow(ビロウ)」という約7分の曲を作り、プロの演奏家が披露した。音の「大きなうねり」を表現したかったという。
他の候補者に比べて短い曲だったが、薮田さんは「無駄な部分をそぎ落とし(魅力を)凝縮した曲にしたかった」と話した。
薮田さんは東京音楽大で作曲を学び、国内外のコンクールで数多くの受賞歴がある。
ジュネーブ国際音楽コンクールの作曲部門では2013年に岡山県出身の山中千佳子さんの作品が、観客らの投票による賞などを受けた。