3日の日本ハム戦の九回、レアードに先制の適時二塁打を打たれた松井。捕手嶋=福留庸友撮影 杜(もり)の都で何が起きているのか――。プロ野球の楽天が単独最下位と苦しんでいる。15日まででパ・リーグ5球団と1巡目の対戦が終了。カード勝ち越しも連勝もなく、4勝10敗1分け。開幕前には優勝候補に挙げる声もあったチームの不振の原因を探った。 「デーブ(大久保博元監督)時代に似た雰囲気を感じる」。13日、西武に5―7で敗れた後、球団関係者は、連敗を繰り返し最下位だった2015年を引き合いに出した。「好投しても点を取れず、打線がつながれば投手が崩れる。ちぐはぐな感じが共通する」 つながらない打線 この試合は、16年から11連敗の苦手・菊池から打線が一回に3得点。だが直後の二回に則本が5点を奪われ、球団史上初めて開幕から本拠で3カード連続負け越しが決まった。 昨季、1巡目の対戦を終えた時点で、勝ち越し8で首位だった楽天。3番ウィーラーと4番アマダーが打率1割台でも、茂木や銀次、島内、岡島ら日本人野手が3割台の打率を残し打線がつながっていた。 今季は規定打席到達者のうち、茂木が2割9分5厘でチームトップ。ウィーラーが2割6分8厘と健闘しているものの、ほかは2割5分を下回っている。銀次や島内は開幕してからも打撃フォームを試行錯誤。強打の2番として話題を呼んだペゲーロも、大振りを繰り返し12球団で断トツの24三振を喫している。 不安ぬぐえぬ守護神 打線同様、予想外の成績なのが守護神の松井だ。7試合に登板して救援失敗が4度、無失点は2試合だけだ。上ずった球が多く、昨季52試合で26個だった四球は既に6個に上る。 「去年は走者を出してチームを不安にさせてしまった。今年は安心できる抑えになる」。そう意気込んで迎えたシーズンだったが、松井は走者を出すとマウンド上で不安げな表情に。昨季まではなかったことだ。 「もっと自信を持って、相手を見下ろすくらいでいいんだけど」と梨田監督。引き続き抑えで起用する考えだが、松井を含め、救援陣は7日のソフトバンク戦から8試合連続で失点中。投手起用が難しくなっているのは間違いない。 17日からは王者・ソフトバンクと敵地での3連戦。平石ヘッドコーチは「打線は一時期の不調を抜け出したし、一度連勝できれば雰囲気はがらっと変わる。しっかり勝てるようにやりたい」と話す。(松沢憲司) |
「デーブ時代に似ている」 ちぐはぐ楽天、最下位の理由
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