日銀が10日発表した10月の貸出・預金動向速報によると、全国の銀行(都市銀行、地方銀行、第二地銀)の貸出平均残高は前年同月比2.5%増の428兆1911億円だった。伸び率は6月以来4カ月ぶりの低さとなったが、企業のM&A(合併・買収)や不動産関連の貸し出しを中心に「中小中堅企業に幅広く伸びる傾向が続いている」(金融機構局)という。
業態別に内訳を見ると、都銀は1.4%増と前月から伸び率が0.1ポイント縮小し、7月以来の鈍さとなった。ただ、前年同月を49カ月連続で上回り、増加基調に変化はない。
地方銀行と第二地銀を合わせた貸し出しは3.6%増と前月から0.1ポイント縮小した。信用金庫は2.3%増と統計で遡れる2001年以降で最大の伸びとなった前月の水準を維持した。
手形と小切手を除き、譲渡性預金を含んだ預金残高は、都銀、地銀、第二地銀の合計で3.6%増の631兆9794億円だった。伸び率は前月から0.4ポイント縮小した。
都銀は4.2%増と前月から伸び率が0.6ポイント鈍化した。金融機関の預金が高水準だった前年の反動などから伸び率が鈍っている。〔日経QUICKニュース(NQN)〕