【ロンドン=小滝麻理子】サッカー男子のフランス代表とイングランド代表の親善試合が17日夜、ロンドンで予定通りに開催された。キャメロン首相やウィリアム王子も観戦し、パリ同時テロを受けてフランスへの連帯を示した。
パリの同時テロでは、サッカー男子独仏の親善試合のスタジアム近くで自爆テロがあり、その後スポーツなどが中止になる事例が相次いでいる。仏サッカー連盟は「テロには屈しない」として17日の親善試合を予定通り実行した。
武装警官やヘリコプターが見守る厳戒態勢のなか、満員のスタジアムの電飾は仏国旗の色に彩られた。試合前にはサポーターを含め全員で仏国歌を斉唱し、ウィリアム王子がピッチに献花した。両チームの選手らは肩を組んだあと、犠牲者に黙とうをささげた。
一方、同日ドイツ北部ハノーバーで行われる予定だったドイツ代表とオランダ代表の親善試合は「爆弾情報」を受けて開始直前に急きょ中止となり、観客らがスタジアムから緊急避難した。ハノーバー市警察署長は独公共放送ARDに対して「スタジアム内で爆弾攻撃が計画されていることを示す信ぴょう性のある情報があった」と話した。同試合はメルケル首相も観戦する予定だった。
このほか、ベルギーで行われる予定だったサッカーのベルギー代表とスペイン代表の親善試合も警備上の懸念から中止された。