長野県松本市立病院は18日までに、胃内視鏡検査を13日に受診した5人に誤って発がん性物質のホルムアルデヒドを含むホルマリンの液体を胃に直接投与したと発表した。うち3人は胃に炎症が起きて入院したが、回復して既に退院した。
投与したのは病理検査で使用する劇物「ホルマリン20%固定液」20ミリリットルで、ホルムアルデヒドが1.48グラム含まれている。5人は県内に住む30~50代の男女で健康への影響は不明。今後、経過観察していくという。
本来は胃の蠕動(ぜんどう)を抑制する薬剤「ミントオイル」を投与すべきだった。看護師が12日、使用したホルマリン20%固定液を誤ってミントオイルを入れる冷蔵庫に戻し、13日に別の看護師が気付かずに持ち出して医師が誤投与した。投与後に医師が異臭を感じ、ミスが判明。病院は患者とその家族に謝罪し、保健所に報告した。〔共同〕