愛知県は30日、県営住宅の杭(くい)工事でデータ流用が見つかったと発表した。豊田市内の鉄筋コンクリート6階建て住宅1棟(36戸)について施工した50本の杭のうち3本で、他の杭のデータが使われていた。現地調査の結果、建物に傾斜やひび割れなどの不具合は見つかっていない。県によると、旭化成建材以外の業者によるデータ流用は初めてという。
県が元請け業者に確認した際、「流用していると言わざるを得ない」との回答があったという。
県によると、県が2006年度に発注し、県内の建設会社が工事が請け負った。杭工事は07年5月に専門の下請け業者が実施した。08年9月から入居を開始した。住民は今後も住み続ける。
県は過去10年に発注した工事について、旭化成建材以外の業者が杭工事にかかわった347件でも、データ流用の有無などを調査。電流値データが他の杭と一致している住宅を発見した。