ミネベアの貝沼由久社長は21日、ミツミ電機との経営統合についての記者会見を都内のホテルで開き、「ミツミとの統合で売上高1兆円、営業利益1000億円の(中長期の)経営目標を前倒しで達成できる」と話した。ミネベアの手掛けるモーターなどの出力機器とミツミのスイッチなどの入力・制御機器を組み合わせて、技術や販売面でのシナジーを出す考え。貝沼社長は「ハイエンドでニッチな市場に経営資源を集中させて勝ち残る」とした。
両社は2017年4月1日をメドに経営統合することで協議に入った。両社の16年3月期の連結売上高(見通し)の合計は約8500億円となる。株式交換方式でミツミ株にミネベア株を割り当てることでミツミをミネベアの傘下に収める。株式の交換比率は今後決定する。その後持ち株会社制に移行し、ミツミとともにミネベアの事業を再編して子会社として持ち株会社にぶら下げる形にする。持ち株会社の会長兼社長にはミネベアの貝沼由久社長、副会長にはミツミの森部茂社長が就任する。
スマートシティやあらゆるものをネットにつなぐIoT(インターネット・オブ・シングス)など新規分野での製品供給で市場開拓を進めていく。ミツミの森部茂社長は「両社の技術や拠点の相互活用による製品の再配置などで固定費や変動費を削減し利益を高めることができる」とした。〔日経QUICKニュース(NQN)〕