自動車部品メーカーの曙ブレーキ工業の羽生製造所で働き、肺がんなどを発症したのはアスベスト(石綿)を吸ったのが原因だとして、元従業員4人と遺族10人が同社に計約4億6200万円の損害賠償を求めた訴訟は26日までに、さいたま地裁(針塚遵裁判長)で和解が成立した。
原告側代理人弁護士によると、同社が原告に解決金を支払う内容だが、金額は公表しない。和解条項では他に、原告が石綿関連疾患で労災認定されたことなどに関し同社が遺憾の意を表明するとの内容が盛り込まれた。
和解成立を受け、同社に約46年間勤務した原告団副団長の折原晃さん(71)は「非常にありがたく思う」と話す一方、「他にも健康被害で不安な毎日を過ごす人が多くいる。会社は苦しみや怒りを真摯に受け止めてほしい」と涙を見せた。
同社は「コメントしない」としている。〔共同〕