【NQNニューヨーク=内山佑輔】29日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場は大幅反発した。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近の2016年2月物は前日比1.06ドル高の1バレル37.87ドルと、この日の高値圏で取引を終えた。持ち高調整の買いに加え、原油在庫の縮小を期待した買いが優勢となった。
前週に約6年10カ月ぶりの安値を付けるなど急速な下げが続いた原油先物相場には、年末が近づくにつれて売り持ち高の調整を目的とした買い戻しが広がった。
30日には米エネルギー情報局(EIA)が週間の石油在庫統計を発表する。前週は市場予想に反して原油在庫が減ったため、30日公表分でも在庫の圧縮が一段と進むのではないかとの思惑が先物の買いを誘った。
一方で将来的な需給の緩みへの警戒は根強い。原油先物が38ドルちょうどに迫ると利益確定の売りが強まり、相場の上値を抑えた。
ガソリンも反発し、ヒーティングオイルは3営業日ぶりに反発した。
ニューヨーク金先物相場は小幅に続落した。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で取引の中心である16年2月物は前日比0.3ドル安の1トロイオンス1068.0ドルで取引を終えた。年末が迫り市場参加者が少ないなか、新たな取引材料にも乏しく方向感に欠いた。
銀とプラチナはともに反発した。