内閣府が8日発表した2015年11月の景気動向指数(2010=100)速報値によると、景気の現状を示す一致指数は前月より1.7ポイント低い111.6となり、2カ月ぶりに悪化した。中国の景気減速などを背景に、生産や消費関連の指標が軒並み低下した。
内閣府は直近数カ月の平均値などから機械的に判断する基調を「足踏みを示している」と6カ月連続で据え置いた。
速報値段階で8日示された8指標すべてが悪化した。生産関連では、中小企業の製造業で電気機械や金属などの動きが鈍く出荷指数が大きく落ち込んだ。耐久消費財の出荷も携帯電話や薄型テレビ、自動車などを中心に振るわなかった。
消費関連では、気温が例年に比べて高かったため冬物衣料などの出足が悪く、商業販売額が小売り、卸売り共に低下した。有効求人倍率は高水準を維持したが改善ペースが鈍った。
数カ月先の景気を示す先行指数も前月より0.3ポイント低い103.9と2カ月ぶりに悪化した。住宅着工床面積などが伸びたが、最終需要財在庫率指数などの企業の在庫を示す指標が低下した。