【イスタンブール=佐野彰洋】ギリシャの民営化促進機関、ギリシャ資産開発基金は12日、同国最大の港であるピレウス港の民営化を巡り、中国国有の海運大手、中国遠洋運輸集団(コスコ・グループ)に買収金額の引き上げを要請した。
同港を運営するギリシャ国営企業の発行済み株式の51%を売却するための最終入札に参加したのは中国遠洋だけ。同社が買収するのは確実な情勢で、株式取得に3億~4億ユーロ(約380億~510億円)を投じると取り沙汰されていた。
基金側は中国遠洋が新たに提示してくる買収額について、18日以降に開く理事会で審査する見通しだ。中国遠洋が正式契約後の5年間で一定の条件を満たせば、追加で16%の株式取得ができるようになる。