20日午前の東京外国為替市場で円相場は反発した。12時時点は1ドル=117円22~25銭と前日17時時点に比べ68銭の円高・ドル安だった。ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)の原油先物相場は日本時間20日の時間外取引で約12年4カ月ぶり安値を付けた。「原油価格の一段安で世界経済の先行き不透明感が意識され、短期的な投機筋が運用リスク回避のための円買い・ドル売りを入れた」(国内証券)という。日経平均株価や中国・上海株式相場が下落したのも「低リスク通貨」とされる円の買いを誘った。
10時前の中値決済では「事業会社の決済が集中しやすい5・10日(ごとおび)で、ドルが不足していた」(国内銀行)という。だが、国内輸入企業による円売りの規模は小さく、相場への影響は限られた。
9~12時の円の高値は117円16銭近辺、安値は117円56銭近辺で、値幅は40銭程度だった。
円は対ユーロは続落した。12時時点では1ユーロ=128円17~20銭と同8銭の円安・ユーロ高だった。対ドルでのユーロ高が対円に波及した。もっとも原油や日経平均の下落に伴い対ドルで円高が進むと対ユーロでも円買いが優勢になった。10時40分ごろに128円06銭近辺と、前日比で上昇に転じる場面があった。
ユーロは対ドルで反発した。12時時点では1ユーロ=1.0934~37ドルと同0.0070ドルのユーロ高・ドル安だった。投資家のリスク運用を取る姿勢が後退し、低金利で「逃避通貨」とされるユーロは買いが優勢だった。〔日経QUICKニュース(NQN)〕