貴金属のパラジウムの相場が軟調だ。指標となるニューヨーク先物は25日の時間外取引では1トロイオンス495ドル近辺で、前週末から約5ドル下げて動いた。年初と比べて50ドルほど安い。足元で原油に連れ高となったプラチナ(白金)とは対称的な展開となり、中国の景気減速を色濃く反映した。
パラジウムは2010年以来となる500ドル割れの安値水準になっている。プラチナは25日の時間外取引で1トロイオンス840ドル前後。前週末から約10ドル高い水準で推移した。
東京商品取引所では25日、パラジウムは1グラム1914円で、前週末比4円の小幅安。同じ産業用向け貴金属のプラチナは77円の大幅高で、3210円だった。
いずれも自動車の排ガス触媒に使われ、パラジウムはガソリン車向け、プラチナはディーゼル車向けが主な用途。加えてパラジウムは自動車分野への依存度が高い。ガソリン車主体の市場である中国の景気動向に対して、パラジウムはプラチナ以上に敏感に反応する傾向がある。
先週末から原油相場が上向いたことで、プラチナは買われており、相場の明暗が分かれた。