【ニューヨーク=高橋里奈】国連安全保障理事会の公開会合が29日開かれ、日本の吉川元偉国連大使は北朝鮮に対する制裁決議の採択を「最優先かつ緊急事項にする必要がある」と訴えた。吉川大使は北朝鮮との20年以上にわたる対話では核実験を防ぐことができなかったとし、「対話と同時に圧力が必要」と指摘。強力な制裁決議が必要だと強調した。
各国代表からも「安保理の断固たる対応が必要にもかかわらず、適切な対応が遅れている」(ウクライナ大使)との苦言が相次いだ。だが中国とロシアの代表は北朝鮮についての発言は避けた。
北朝鮮問題を巡っては、より強い制裁措置を盛り込んだ決議案を主張する米国と、北朝鮮を追い込むことに慎重な中国との間で交渉が長期化。安保理での協議の日程すら決まっていない。