【北京=原田逸策】中国税関総署が13日発表した3月の貿易統計によると、米ドルベースの輸出額は前年同月比11.5%増の1608億ドル(約17兆3600億円)だった。前年同月の水準を上回ったのは昨年6月以来、9カ月ぶりとなる。春節(旧正月)の連休に絡む季節要因で昨年3月の輸出が落ち込んだことの反動が大きいとみられる。
輸入は前年同月比7.6%減の1309億ドルだった。前年割れは17カ月連続となる。鉄鉱石や原油などの輸入価格が下落していることが大きい。輸出と輸入を合わせた貿易額は2%増えた。3月の貿易収支は298億ドルの黒字だった。
中国の輸出は最悪期を脱出しつつあるとの見方もあるが、今回の増加は季節要因も大きい。中国は毎年の春節の大型連休の時期が同じではないため、1~3月の経済統計の数値がふれやすい。季節要因をならすために1~3月の数値で比べると、輸出は9.6%減、輸入は13.5%減だった。
主な地域ごとに3月の貿易額をみると、欧州連合(EU)向けは10.1%増、米国向けは4.8%増、日本向けは2.3%増だった。