2手目を打つ囲碁六冠王の井山裕太名人=14日午前9時30分、長野県大町市、竹花徹朗撮影
伊田篤史十段(22)に挑戦者の井山裕太名人(26)=六冠=が2連勝し、囲碁界初の七冠独占へあと1勝と迫った第54期十段戦五番勝負(産経新聞社主催)の第3局が14日朝、長野県大町市のホテルで始まった。囲碁界に新たな歴史を刻むかどうかの大一番。報道陣が大挙して押しかけ、異様な雰囲気の中での開始となった。
特集:井山裕太名人
午前9時23分、井山名人が先に対局室に姿を見せると、報道陣から一斉にカメラのフラッシュがたかれた。定刻の9時半、立会人の小林光一名誉名人が開始を告げ、黒番の伊田十段が第一着を右上星に、続いて白番の井山名人が左下星に打ち下ろした。対局の持ち時間は各3時間。同日夜までに決着する。
対局場の「くろよんロイヤルホテル」に集まった報道陣は22社60人。タイトル戦の取材では異例の多さで、対局室に入れるのは撮影する記者に限定されたほか、2手目が打たれたあと、記者が退室するまで対局を中断するなどの普段とは違う対応がとられた。