4月12日朝、築地市場で売られた有毒のバラハタ(東京都提供)
東京都中央区の築地市場で食中毒を引き起こす恐れのある「バラハタ」1匹が売られていた問題で、東京都は13日、同区で中華料理店を営業する男性が購入していたと発表した。12日夜、バラハタを蒸し魚にして2グループ計6人の客に提供した。体調不良を訴えている人はいないという。
バラハタは宮崎県産で、全長45センチ、1・2キロ。12日午前8時半ごろ、巡回中の都職員が、販売自粛を求めているバラハタに似た魚を仲卸店で見つけた。専門家らに確認するために約1時間、現場を離れた間に、同じハタ科のスジアラと思い込んだ仲卸店が4277円で販売していた。
「私が買った魚では」。男性がニュースを見て、都に電話をしたのは13日午後3時25分。都は、聞き取りや伝票などでバラハタと確認。客には男性が症状の有無を電話で尋ねたという。バラハタのシガテラ毒を食べると、頭痛や下痢などの症状が起きる。発症時間は食後1~8時間で、都は今後、食中毒が起きる可能性は低いとみている。(小林恵士)