レーカーズのスコット監督(左)と抱き合うコービー・ブライアント=AP
米プロバスケットボール協会(NBA)で名をはせたレーカーズのコービー・ブライアント選手(37)が13日、ジャズとのレギュラーシーズン最終戦で60得点を挙げ、20年の現役に終止符を打った。
驚異的なハイスコアで、全米のファンを沸かせた。鋭くトリッキーな動きが復活。ここ数年、けがで満足にプレーできなかったことを忘れさせた。花を持たせようとパスを集めたチームメートの期待、満場のスタンドからの声援に応え、全盛期のように多彩なシュートを繰り出した。「全てを出し切ろうと思った。そうできて気分がいい」
劣勢で迎えた最終クオーター、残り約2分半からは独壇場。13連続得点で試合をひっくり返し、20年間在籍したチームに今季17勝目をもたらした。
父親が神戸牛のステーキを気に入ったことから「KOBE」と命名された話は有名。1996年に18歳でデビューし、憧れの「神様」マイケル・ジョーダン(元ブルズなど)と同じコートに立った。チームを5度のリーグ王座に導き、得点王2度、オールスターには18度出場。五輪では米国代表として二つの金メダルを獲得し、長きにわたりNBAを引っ張った。
自分勝手なプレーを批判されたり、何度も醜聞が持ち上がったりもしたのも、注目されたからこそ。「20年は信じられないくらいあっという間だった」と振り返り、感極まった表情でファンに「心から皆さんを愛している」。一時代を築いたスーパースターが、晴れやかにコートを去った。(時事)