対局後、悔しそうな表情をみせる囲碁六冠王の井山裕太名人=14日午後6時20分、長野県大町市、竹花徹朗撮影
伊田篤史十段(22)に井山裕太名人(26)=棋聖、本因坊、王座、天元、碁聖をあわせ六冠=が挑戦している囲碁の第54期十段戦五番勝負(産経新聞社主催)の第3局は14日、長野県大町市で打たれ、伊田十段が269手までで黒番中押し勝ちし、初勝利を挙げた。囲碁界初の七冠独占にあと1勝と迫っている井山名人の偉業達成は、この一戦では実現しなかった。第4局は20日、東京都千代田区の日本棋院で打たれる。
井山名人が昨年7月の碁聖戦五番勝負第3局から続けていたタイトル戦の史上最多連勝は、18(18局負けなし)でストップした。
報道陣が大挙して詰めかける中での一局。敗れた井山名人は「力が及ばなかった。(連勝ストップは)信じられない勝ちが続いていたので、いつかは止まると思っていた。次、精いっぱいやるだけです」。逆転防衛へ望みをつないだ伊田十段は「カド番にはかわらない。次も力を出せるようにしたい」と話した。