土砂崩れた駐車場に残った車=16日午前6時30分、熊本県南阿蘇村、朝日新聞社ヘリから、高橋雄大撮影
熊本県益城町平田の西村正敏さん(88)、美知子さん(82)夫妻は仲が良く、近所でも穏やかでまじめな人柄として知られていた。
(タイムライン)熊本地震を時系列で
特集:熊本地震
熊本地震 災害時の生活情報
近所の住民によると、2人は米や麦、梨などをつくった。10年ほど前に正敏さんが病で体が思うようにならなくなるまでは、地区の夫婦らのグループで年に1回、2泊3日の旅行に出かけるのが楽しみだった。今も美知子さんが自宅で食べる米をつくり、正敏さんの介護もしていたという。
50年以上の付き合いがあった米満京子さん(78)は16日、避難先の公民館で西村さん夫妻が家に閉じ込められたと聞いた。「何とか生きていてほしい」と祈った。亡くなったという知らせに涙が止まらなかった。「美知子さんは、思うように動けない正敏さんを残して逃げられなかったのかもしれない」。米満さんは最後まで強かったであろう夫婦の絆を思った。