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南米エクアドルで16日に起きた地震の被害は、今後拡大する可能性が高まっている。政府は18日、少なくとも350人が死亡したことを明らかにした。被災地に到着したコレア大統領は17日夜、犠牲者数の見通しについて「確実に、かなり数が増えるだろう」と語った。
AP通信によると、犠牲者にはカナダ人2人が含まれている。西部ポルトビエホで記者会見した大統領は、多くの住民が倒壊した建物のがれきの下に埋もれていると認め、「生存者の救出が第一だ」と語った。
被害は、震源地に近い北西部のペデルナレスや西部マンタの沿岸部を中心に広がっている。国内では観光地として知られている地域だ。政府はベネズエラやコロンビア、チリなど近隣諸国を中心に救助隊や消防隊の援助を受け入れている。しかし、17本の幹線道路が地震による損壊で通行できなくなっているほか、停電が続いている地域も多く、救助作業は難航している。
人口約30万人のポルトビエホでは、少なくとも100人が死亡。マヌエル・キシショさん(27)は、がれきの下に埋まった兄の救助を求めていた。「彼の腕と脚をなんとか見ることができた。でも、警察は建物が崩壊する危険性があると言って追い出した。自分たちは怖くない。ただ、絶望的だ」とAPに語った。
キトの日本大使館によると、在留日本人の安否は確認が取れており、被害はないという。(リオデジャネイロ=柴田真宏)