熊本城天守閣にあったしゃちほこがなくなっていた=藤生慎・金沢大助教がドローンで撮影した映像から
熊本地震でしゃちほこや瓦が落ちた熊本城の天守閣の被害を、金沢大のチームが小型無人飛行機(ドローン)で間近から調査した。特徴的な石垣や過去の復元が被害の拡大につながった可能性があるという。
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熊本城は地震が続いて人が近付けず、被害を把握しづらい。熊本市への映像提供を条件に、許可を得て17日にドローンを飛ばし、映像を分析した。
天守閣の石垣では、角にあり荷重を支える重要な部分である「出隅」が複数箇所で崩れていた。熊本城の出隅は金沢城などに比べて小さな石を使っていることから、地震の揺れに弱かった可能性があることが分かったという。
また1960年に復元された天守閣は鉄筋コンクリート造りで、木造に比べて重く、しなりにくい。このため、横揺れで石垣に大きな力がかかった可能性があるという。
藤生慎・助教(防災工学)は「歴史的に経験したことがないほどの揺れだったとわかった。修復する際には大きな石を使うなどの地震対策も必要では」と話す。(竹野内崇宏)