博多―熊本間で営業を再開した九州新幹線=23日正午、熊本市、朝日新聞社ヘリから、上田幸一撮影
JR九州は23日、九州新幹線の博多―鹿児島中央間の全線で28日にも、運転を再開する方針を明らかにした。熊本地震で14日夜から運転を止めたが、順次再開している。ゴールデンウィーク(GW)前の全通をめざし、不通が続く熊本―新水俣(熊本県)間の復旧を急ぐ。
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GW中も運休すれば被災地の支援や観光などへの影響が大きいとみて、「とにかく早期の全線復旧をめざす」(JR九州幹部)。熊本―新水俣間は地震で脱線した回送列車を撤去する作業が24日中に終わる見通しになった。新八代駅(熊本県)の復旧工事など、再開に向けて残る作業を急ぐ。
ほかの区間は新水俣―鹿児島中央間が20日に再開したのに続き、23日には博多―熊本間が再開した。23日朝から試験走行を続け、問題ないと判断して再開を決めた。JR九州によると、再開後の一番列車の乗車率は博多発が約6割、熊本発が約3割だった。
落下した防音壁の復旧などが間に合っていない新玉名(熊本県)―熊本間は当面、時速70キロほどに落として走る。各駅に停車し、所要時間は1時間あまり。本来は最速で33分、各駅に停車しても50分ほどだった。それでも在来線の2時間あまりに比べてほぼ半分になり、被災地への支援にも追い風となる。
運転本数は通常なら1日平均で上下計約120本のところ、23日は同21本、24日以降も同30本の予定。大幅な間引き運転が続く。
一方、在来線も順次運転を再開している。23日に三角線(宇土―三角)が再開し、24日には肥薩線(八代―吉松)が始発から運転を再開する。一部で徐行運転は残るが、不通が続く区間は豊肥線の肥後大津―豊後竹田間だけとなった。