三菱自動車の燃費偽装問題をめぐり、同社が一部の車で、実際に車を走らせて取る必要があるデータを測定せず、机上で算出したデータを国に提出していたことが分かった。同じ車種で、エンジンの出力などが異なるタイプの車を開発する際に測定を怠っていたといい、国土交通省は不正の実態調査を進める。
関係者によると、三菱自は、走行時の道路とタイヤの摩擦による抵抗や空気の抵抗を測る走行試験をせずに、過去の数値などを参考に机上でデータを算出していた。同じ車種でも、エンジンの出力や駆動方式などが異なるタイプがあり、こうした別のタイプの車で走行試験をしていなかったという。
国の規定では、同じ車種でもタイプが違う車は個別に走行試験をする必要がある。駆動方式やエンジンの出力が異なると燃費性能が変わるためだ。机上のデータ算出により、燃費性能に影響が出る可能性もある。