トヨタ自動車が26日発表した2015年度のグループ世界販売台数は、前年度比0・7%減の約1009万台だった。独フォルクスワーゲン(VW)を上回り、年度としては2年ぶりに首位に返り咲いた。トヨタは伸び悩んだが、VWの販売が、昨年に明らかになった排ガス不正問題の影響で失速。順位が再逆転した。
トヨタグループ(ダイハツ工業、日野自動車含む)の世界販売が前年度を下回ったのは4年ぶり。トヨタ本体は、北米や中国が好調だったが東南アジアなどで振るわず、前年度並みだった。ダイハツは、国内の軽自動車税引き上げの影響で1割余り減った。
一方、14年度に首位に立ったVWグループは、排ガス不正問題の影響で15年度は2・3%減の約995万台にとどまった。
トヨタは、注目度が高い暦年(1~12月)の実績で15年まで4年連続で世界首位を続ける。ただ、今年は予断を許さない状況だ。
VWは今年に入って中国や欧州で盛り返し、1~3月の世界販売がトヨタを約5万台上回った。トヨタは愛知製鋼の爆発事故の影響で2月に約9万台の減産になったのに続き、4月には熊本地震の影響が8万台強にのぼる見通し。トヨタが生産の遅れをいつまでに挽回(ばんかい)できるかも、今後の首位争いを左右する要因になりそうだ。(高橋諒子)