難民キャンプで26日、聖火を掲げるイブラヒム・フセインさん(中央)=ギリシャ・オリンピック委員会提供
8月5日に開幕するリオデジャネイロ五輪の聖火リレーが26日、ギリシャの首都アテネの難民キャンプを通過し、シリア人難民で水泳選手のイブラヒム・フセインさん(27)が代表して聖火を運んだ。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、イブラヒムさんはシリア東部デリゾール出身。幼い頃から水泳選手として活躍したが、2011年に内戦が始まり、翌年に負傷した友人を助けようとした際に爆弾を受けて右脚の一部を失った。
トルコへ逃れ、14年にゴムボートでギリシャ東部のサモス島へ渡った。現在はギリシャで難民として認定され、カフェで働く傍ら、水泳の練習を続けている。ギリシャ・オリンピック委員会などによると、イブラヒムさんは「22年間練習してきた中で、最高の瞬間だ」と語り、難民らに励ましの言葉を贈った。(ロンドン=山尾有紀恵)