三菱自動車による燃費試験データの偽装を受けて、ほかの自動車メーカーも試験の状況などについて報告を求められている。27日に決算発表があったマツダとダイハツ工業は、不正を強く否定した。
三菱自動車の燃費偽装問題
マツダの小飼雅道社長は27日の会見で、「法令順守の精神に基づいて、すべてのマツダ車が各国の規制に厳格に合致させている」と話した。燃費の測定は、国が定めた「惰行法」に基づいているとした。
自動車の環境規制をめぐっては、独フォルクスワーゲンが不正ソフトを使って性能をよく見せていたことも発覚。世界的に試験のやり方を厳しくする動きが広がっている。小飼社長は「グローバルで見ると実際に走らせた燃費が重要視される傾向にある。社内でも的確に対応する」とした。
軽自動車大手のダイハツの松下範至専務は27日の会見で、「これまできちっとやってきた。再確認して真摯(しんし)に対応する」と話した。燃費の測定方法については、国土交通省の取りまとめまでは明らかにしないとした。
三菱自の問題の背景には、軽自動車メーカーの燃費を巡る激しい競争があったとされる。
松下専務は、ライバルの性能は常に意識して目標を設けているとしつつ、「我々が達成できる限度はここだという判断をしている。無理をしてお客様に不信を生むようなことがあっては何の意味もない」と説明した。
ダイハツは8月にトヨタ自動車の完全子会社となるため、7月下旬に株式上場をやめる予定だ。松下専務は「軽で培った技術や事業で、トヨタグループの中で貢献するチャンスを与えていただいた。我々はポジティブにとらえている」と話した。(山村哲史)