民進党の岡田克也代表は29日、連合のメーデー中央大会で、「野党分裂の結果、安倍政治の独走を許してきた。(旧民主、旧維新が)一つになって政権交代可能な政治を実現していく」と述べ、民進への支持を訴えた。連合内には労組批判を繰り返してきた旧維新との合流や党名変更に懸念があったことから、岡田氏がこれまでの経緯を説明し、理解を求めた形だ。
岡田氏は「巨大与党である今の自民党、公明党、安倍政治の暴走を止めるために私たちは一歩前にでなければいけないと考えた」と説明。「格差の少ない社会、中間層に厚みのある社会を作っていく中で、持続的な経済成長を実現していく」と訴えた。
この日、連合の神津里季生会長は、「(安倍政権への)野党のプレッシャーは大きければ大きいほどいい」と述べる一方で、「目先の人気取りに陥ることになく、社会の持続可能性に対する責任ある政策軸を示してほしい」と注文をつけた。
連合は今月14日の中央執行委員会で民進への対応について、旧民主時代の「連携、支援を強化」から、「『連携』をはかる」と表現ぶりを後退。こうした背景には、民進に合流した旧維新が公務員の給与カットなどを訴えてきたことがある。
そのため連合内には、「公務員批判を繰り返していた人たちを、すぐに応援できるかというと難しい」との声が根強い。「個別の議員ごとに支援しない可能性もある」(幹部)としており、夏の参院選に向けた対応が注目される。(高橋健次郎)