握手を交わす岸田文雄外相(左)とベトナムのフック首相=ハノイの首相府、武田肇撮影
東南アジアを訪問中の岸田文雄外相は5日、ベトナムの首都ハノイで、フック首相を表敬訪問した。岸田氏は表敬後、記者団に対し、中国が進出を強める南シナ海問題について「一方的な現状変更の試みが国際社会共通の懸念であり、東南アジア諸国連合(ASEAN)が一体となってメッセージを発することが重要だという認識を共有した」と強調。中国を牽制(けんせい)した。
ベトナムは南シナ海の南沙・西沙諸島の領有権をめぐって中国と争っている。日本は4月に首相に就任し、ベトナム共産党を率いるトップの一人であるフック氏と連携を強化したい考えで、26、27日に日本で行われる主要7カ国(G7)首脳会議の拡大会合にも招いている。
岸田氏はミン副首相兼外相とも会談し、同じく南シナ海問題など地域情勢を中心に議論した。(ハノイ=武田肇)